書類を確認するビジネスパーソン — 経費精算のイメージ
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「Excelと紙の領収書」で経費精算、まだ続けていませんか?

結論から言います。 クラウド経費精算システムを選ぶうえで最も重要なのは、「多機能かどうか」ではなく「自社の承認フローと会計ソフトにスムーズに連携できるかどうか」です。

電子帳簿保存法の改正により、領収書の電子保存への対応は中小企業にとっても避けて通れない課題になっています。しかし、経費精算の現場ではこんな悩みが多いのではないでしょうか。

  • 月末に領収書をかき集めて、Excelに手入力する作業が毎回発生する
  • 交通費の計算を手作業でやっていて、ミスが多い
  • 承認者が出張中で、精算の承認が何日も滞る
  • 電子帳簿保存法に対応しなければならないが、何から始めればいいか分からない

今回は日本の中小企業で導入実績の多い3つのクラウド経費精算システム──楽楽精算・マネーフォワードクラウド経費・freee経費精算──を、実際の導入を想定した観点で比較します。

この記事で分かること
・楽楽精算 / マネーフォワードクラウド経費 / freee経費精算の「本質的な違い」── 向いている企業・向いていない企業
・領収書のスマホ撮影 → 自動入力の精度に差はあるのか
・承認ワークフローのカスタマイズ性 ── 複雑な承認ルートに対応できるか
・会計ソフトとの連携 ── 仕訳の自動化はどこまでできるのか
・電子帳簿保存法への対応状況と、タイムスタンプの扱い

経費精算の基礎知識 ── 電子帳簿保存法で何が変わったのか

比較に入る前に、経費精算に関わる法制度の変化を簡単に整理しておくのがポイントです。

電子帳簿保存法(2024年1月完全義務化) ── 電子取引データの電子保存が義務化されました。メールで受け取った請求書やWeb明細などは、紙に印刷して保管するのではなく、電子データのまま一定の要件を満たして保存する必要があります。

スキャナ保存制度 ── 紙の領収書をスマートフォンやスキャナーで読み取り、電子データとして保存することが認められています。一定の要件(解像度、タイムスタンプなど)を満たせば、原本の紙を廃棄することも可能です。

クラウド経費精算システムなら法対応の負担が大幅に軽減されます
今回比較する3サービスはいずれも電子帳簿保存法のスキャナ保存要件に対応しています。領収書をスマートフォンで撮影するだけで、タイムスタンプの付与や解像度の確保が自動的に行われるため、法令対応のために特別な知識は必要ありません。

3サービスの基本比較 ── まず全体像を掴みましょう

項目楽楽精算マネーフォワードクラウド経費freee経費精算
運営会社株式会社ラクス(日本)株式会社マネーフォワード(日本)フリー株式会社(日本)
導入社数累計16,000社以上非公開(マネーフォワードクラウド全体で数十万社)非公開(freee全体で50万社以上)
初期費用100,000円〜なしなし
月額料金30,000円〜(税抜)2,980円〜/月(スモールビジネスプラン、年払い)2,680円〜/月(スタータープラン、年払い)
無料トライアルあり1ヶ月無料30日間無料
OCR(領収書読取)AI-OCR搭載AI-OCR搭載AI-OCR搭載
交通費自動計算乗換案内連携乗換案内連携乗換案内連携
電帳法対応対応済み対応済み対応済み
特徴大企業にも対応する承認フロー会計・給与との一体運用freee会計との完全連携

楽楽精算 ── 「経費精算に特化」した国内導入社数No.1

楽楽精算が選ばれる理由

楽楽精算は、株式会社ラクスが提供するクラウド経費精算システムです。「経費精算」に特化したサービスとして国内導入社数No.1を誇り、累計16,000社以上の導入実績があります。テレビCMでもおなじみの高い知名度が特徴です。

楽楽精算の強み:

  • 経費精算に特化した設計 ── 経費精算業務のあらゆるパターンを網羅した専用システム
  • 柔軟な承認フロー ── 部署・役職・金額に応じた多段階の承認ルートを細かく設定可能
  • 充実したサポート体制 ── 導入前のコンサルティングから運用開始後のサポートまで手厚い
  • 規定違反の自動チェック ── 社内規定に沿わない申請を自動で検知し、差し戻す機能
  • ICカード連携 ── 交通系ICカードの利用履歴を自動取り込み、交通費精算の手間を削減
楽楽精算のデメリット(正直に書きます)
・初期費用100,000円〜+月額30,000円〜と、3サービス中で最もコストが高い
・会計ソフトは別途必要(楽楽精算単体では仕訳帳の作成まではできない)
・小規模企業(10名以下)にはオーバースペックに感じる場合がある
・UIが多機能ゆえにやや複雑で、初期設定に時間がかかる
・モバイルアプリの操作性はマネーフォワードやfreeeにやや劣る

楽楽精算が特に向いている企業

  • 従業員50名以上で、複雑な承認フローが必要な企業
  • 経費精算の社内規定が厳格で、自動チェック機能が欲しい
  • 導入時に手厚いサポートを受けたい(初めてのシステム導入で不安がある)
  • 既存の会計ソフト(勘定奉行、弥生会計など)との連携を重視する
  • 経費精算だけを独立したシステムとして管理したい

楽楽精算の無料トライアルを試す →

マネーフォワードクラウド経費 ── バックオフィス一体型でコスパ抜群

マネーフォワードクラウド経費が選ばれる理由

マネーフォワードクラウド経費は、マネーフォワードクラウドシリーズの1つとして提供されるクラウド経費精算システムです。最大の特徴は会計・給与・勤怠・請求書など他のマネーフォワード製品とシームレスに連携できること。バックオフィス全体を一つのプラットフォームで統合管理できます。

マネーフォワードクラウド経費の強み:

  • バックオフィス一体運用 ── 会計・給与・勤怠など、経費精算以外の業務もワンストップで管理
  • AIによる自動仕訳 ── 経費データを学習し、勘定科目の自動推測精度が使うほど向上
  • クレジットカード自動連携 ── 法人カードの利用明細を自動取得、手入力の手間を大幅削減
  • コストパフォーマンス ── 月額2,980円〜(スモールビジネスプラン)で経費精算以外の機能もセット
  • スマホアプリの使い勝手 ── 領収書撮影から申請、承認まですべてスマホで完結
マネーフォワードクラウド経費のデメリット(正直に書きます)
・単体利用はできず、マネーフォワードクラウドのプラン契約が必要
・承認フローのカスタマイズ性は楽楽精算ほど細かくない
・従業員数が増えると追加料金が発生し、大企業ではコストが跳ね上がる場合がある
・既にfreee会計や弥生会計を使っている場合、会計ソフトの乗り換えが前提になる
・電話サポートは上位プランのみ

マネーフォワードクラウド経費が特に向いている企業

  • 経費精算だけでなく、会計・給与・勤怠もクラウド化したい
  • マネーフォワードクラウド会計をすでに使っている(連携メリットが最大化)
  • コストを抑えつつ、本格的な経費精算システムを導入したい
  • 法人カードの自動連携で、手入力の手間を限りなくゼロにしたい
  • 従業員が日常的にスマホで申請・承認を行う運用にしたい

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freee経費精算 ── freee会計と完全統合、小規模チームの最適解

freee経費精算が選ばれる理由

freee経費精算は、freee株式会社が提供するクラウド経費精算機能です。freee会計と完全に統合されているのが最大の特徴で、経費の申請から承認、仕訳の自動作成、振込データの生成まで、一気通貫で処理できます。

freee経費精算の強み:

  • freee会計との完全統合 ── 経費申請が承認されると自動で仕訳が作成される、最も手間のかからない仕組み
  • 直感的なUI ── 経理の専門知識がなくても迷わず操作できるシンプルなデザイン
  • スマホファースト設計 ── 撮影→申請→承認がすべてスマホで完結、外出先でもストレスなし
  • 最もリーズナブルな価格設定 ── 月額2,680円〜で利用可能(freee会計のプラン内に含まれる)
  • ファイルボックス機能 ── 領収書を撮影してアップロードするだけで、AI-OCRが自動で内容を読み取り
freee経費精算のデメリット(正直に書きます)
・freee会計の契約が前提で、経費精算だけを単体利用することはできない
・承認フローは基本的な設定のみで、楽楽精算ほど複雑なルート設定には対応していない
・大企業向けの管理機能(部門別予算管理、規定違反チェックなど)は限定的
・freee独自の操作体系に慣れるまで、従来の会計ソフトからの移行者は戸惑うことがある
・従業員数が多い場合(50名以上)は、楽楽精算のほうが運用しやすい

freee経費精算が特に向いている企業

  • freee会計をすでに使っている(経費精算機能を追加で有効化するだけ)
  • 従業員10〜30名程度の小〜中規模チーム
  • 経理担当者がおらず、経営者や管理部門の兼任で回している
  • とにかくシンプルに始めたい(複雑な設定は不要)
  • 会計ソフトと経費精算を別々に管理するのが面倒

freee経費精算の料金プランを見る →

料金比較 ── 従業員30名の企業で利用した場合のリアルなコスト

項目楽楽精算マネーフォワードクラウド経費freee経費精算
初期費用100,000円〜0円0円
月額料金(目安)30,000円〜5,980円(ビジネスプラン、年払い)4,980円(スタンダードプラン、年払い)
含まれる機能経費精算のみ会計・経費・請求書・給与等会計・経費・請求書等
年間コスト概算約460,000円〜約71,760円約59,760円
追加ユーザー料金個別見積もり300円/名/月〜300円/名/月〜
「経費精算だけ」で比較すると楽楽精算は高く見えますが、本質的な違いがあります。楽楽精算は経費精算に特化しているぶん、承認ワークフローや規定チェックの機能が圧倒的に充実しています。一方、マネーフォワードとfreeeは会計ソフトとのセット提供のため月額料金が安く見えますが、経費精算以外の機能(会計・給与など)も含んだ価格です。「経費精算だけを改善したい」のか「バックオフィス全体をクラウド化したい」のかで、最適な選択肢が変わってきます。

領収書のスマホ撮影 → AI-OCRの精度を比較

経費精算システムの日常的な使い勝手を左右するのが、領収書の読み取り精度です。3サービスの実力を比較します。

楽楽精算のAI-OCR

楽楽精算のAI-OCRは、日付・金額・取引先名を高い精度で読み取ります。特に日本語の領収書に最適化されており、手書きの領収書やレシートの読み取り精度が安定しています。読み取り結果の修正画面も分かりやすく、万が一の修正も手間がかかりません。

マネーフォワードクラウド経費のAI-OCR

マネーフォワードのAI-OCRは、使えば使うほど学習して精度が向上する仕組みになっています。勘定科目の自動推測機能が優れており、「タクシー代→旅費交通費」「文房具→消耗品費」といった仕訳の自動化が進みます。クレジットカード明細との突合も自動で行われるのが便利です。

freee経費精算のAI-OCR

freeeの「ファイルボックス」機能では、領収書を撮影してアップロードするだけで、金額・日付・取引先を自動認識します。freee会計と完全統合されているため、読み取った内容がそのまま仕訳候補として提示され、ワンタップで経費登録が完了します。

AI-OCRの精度は3サービスとも実用レベルに達しています
印字された領収書やレシートであれば、3サービスとも90%以上の精度で読み取りが可能です。差が出るのは手書きの領収書や、印字がかすれた古いレシートの場合です。読み取り精度だけで選ぶよりも、「読み取り後のフロー」── つまり仕訳の自動化や承認までの流れがスムーズかどうかで選ぶのがおすすめです。

使い分けガイド ── あなたの会社に合うのはどれか

楽楽精算を選ぶべきケース

「経費精算業務を徹底的に効率化したい」中〜大規模企業に最適です。

承認フローの柔軟性、規定違反チェック、ICカード連携など、経費精算に特化した機能の充実度は他の2サービスを上回ります。初期費用や月額費用は高めですが、従業員数が多い企業ほど、手作業の削減によるコスト回収が早くなります。

マネーフォワードクラウド経費を選ぶべきケース

「経費精算をきっかけに、バックオフィス全体をクラウド化したい」企業に最適です。

会計・給与・勤怠・経費を一つのプラットフォームで管理できるため、データの二重入力がなくなります。マネーフォワードクラウド会計をすでに利用中の企業は、経費精算機能を追加するだけで最大の効果が得られます。

freee経費精算を選ぶべきケース

「とにかくシンプルに、低コストで始めたい」小規模企業・スタートアップに最適です。

freee会計と完全統合されているため、経費申請→承認→仕訳作成が一気通貫で完了します。経理の専門知識がなくても使いこなせるUIで、経理担当者がいない小規模企業でも無理なく運用できます。

導入を成功させるための3つのステップ

経費精算システムの導入で最も重要なのは、「現場の従業員に確実に使ってもらう」ことです。以下のステップで進めるのがおすすめです。

ステップ1:現状の経費精算フローを棚卸しする

まず「誰が」「何の経費を」「どんな手順で」申請・承認しているかを整理するのがポイントです。承認ルートが複雑な場合は楽楽精算、シンプルな場合はマネーフォワードかfreeeが向いています。

ステップ2:無料トライアルで実際に触ってみる

3サービスとも無料トライアルが用意されています。経理担当者だけでなく、実際に経費申請を行う現場の従業員にも触ってもらい、「使いやすさ」の感触を確認するのが大切です。

ステップ3:既存の会計ソフトとの連携を確認する

経費精算データを会計ソフトに取り込む際の連携方法は、導入後の業務効率に直結します。CSVでの手動連携なのか、APIで自動連携なのか、事前に確認しておくと安心です。

導入の初期はルールをシンプルにするのがおすすめです
経費精算システムの導入時にありがちな失敗が、「最初から複雑なルールを設定しすぎる」ことです。まずは基本的な経費申請と承認のフローだけを設定し、運用が軌道に乗ってから規定チェックや予算管理などの機能を段階的に追加していくのが成功のコツです。

よくある質問

電子帳簿保存法への対応は追加費用がかかりますか?
今回比較した3サービスはいずれも、標準プランの範囲内で電子帳簿保存法(スキャナ保存・電子取引データ保存)に対応しています。タイムスタンプの付与や検索要件への対応も自動で行われるため、追加費用や特別な設定は基本的に不要です。
紙の領収書はもう保管しなくていいのですか?
スキャナ保存の要件を満たしていれば、原則として紙の原本を廃棄することが認められています。ただし、スキャナ保存を行うには事前の社内規程の整備が必要です。また、不安な場合は一定期間(たとえば半年〜1年)は原本も並行保管しておくと安心です。3サービスとも、スキャナ保存の要件を満たす機能を備えています。
既存の会計ソフト(弥生会計、勘定奉行など)と連携できますか?
楽楽精算は、CSV出力により弥生会計・勘定奉行・PCA会計など主要な会計ソフトと連携可能です。マネーフォワードクラウド経費はマネーフォワードクラウド会計との直接連携が最もスムーズですが、CSV出力も可能です。freee経費精算はfreee会計との完全統合が前提のため、他社会計ソフトとの連携はCSVでの手動連携となります。
従業員が少ない場合でも導入するメリットはありますか?
従業員5名以上であれば、導入メリットは十分にあります。特に「領収書の紛失防止」「交通費計算の自動化」「承認のスピードアップ」は少人数の企業でも実感しやすい効果です。freee経費精算やマネーフォワードクラウド経費であれば月額数千円から始められるため、コスト面のハードルも低いです。

編集部の結論

大切なのは「最も機能が多いサービス」を選ぶことではなく、「自社の規模とバックオフィス体制に合ったサービス」を選ぶことです。

従業員50名以上の企業で、複雑な承認フローや厳格な経費規定の管理が必要なら楽楽精算が最有力です。経費精算に特化した16,000社以上の導入実績と、手厚いサポート体制は大きな安心材料になります。

経費精算をきっかけにバックオフィス全体をクラウド化したいならマネーフォワードクラウド経費がおすすめです。会計・給与・勤怠との一体運用により、データの二重入力を排除し、月次決算の早期化にもつながります。

小規模企業やスタートアップで、とにかくシンプルに低コストで始めたいならfreee経費精算が最適です。freee会計との完全統合により、経費申請から仕訳作成まで一気通貫で処理でき、経理の負担を最小限に抑えられます。

迷ったら、まずは現在お使いの会計ソフトとの相性を最優先に考えるのがおすすめです。freee会計をお使いならfreee経費精算、マネーフォワードクラウド会計をお使いならマネーフォワードクラウド経費が、最も導入がスムーズです。

まとめ:選び方の3つのポイント

  • 承認フローの柔軟性+専門性重視なら → 楽楽精算(経費精算特化、大規模企業に強い)
  • バックオフィス一体化+コスパ重視なら → マネーフォワードクラウド経費(会計・給与との統合運用)
  • シンプルさ+低コスト重視なら → freee経費精算(freee会計と完全統合、小規模向け)

クラウド経費精算システムの導入は、毎月の経費精算業務にかかる時間を大幅に削減できるだけでなく、電子帳簿保存法への対応も同時に完了できる一石二鳥の施策です。まずは無料トライアルで実際の操作感を確かめてみてはいかがでしょうか。Excelと紙の領収書からの脱却は、バックオフィス効率化の大きな一歩になるはずです。