ノートPCと電卓で経理業務に取り組むイメージ — クラウド会計ソフト導入検討のイメージ
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「とりあえずExcelで管理している」── その運用、いつまで続けられますか?

結論から言います。 クラウド会計ソフトを選ぶうえで最も重要なのは、「有名なサービスを選ぶこと」ではなく「自社の経理体制・簿記知識のレベル・使っている銀行やカードとの連携──誰が日々の仕訳を入力するのか・経理の専門知識がどの程度あるか・どの金融機関やサービスと自動連携したいか──を踏まえ、“経理業務を無理なく回せる仕組み”を構築できるサービスを選ぶこと」です。

「売上が増えてExcel管理が限界に近づいている」「確定申告のたびに慌てて領収書を整理している」「顧問税理士から”そろそろクラウド会計に移行しましょう”と言われている」── こうした状況に心当たりはないでしょうか。

  • Excelで帳簿をつけているが、入力ミスや計算式の破損で数字が合わなくなることがある
  • 銀行の入出金明細を手作業で転記しており、毎月の経理作業に丸1日以上かかっている
  • インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が必要だが、何をすればいいか分からない
  • 税理士とのデータ共有がメールでのExcelファイルのやり取りで、バージョン管理が煩雑になっている
  • クラウド会計ソフトを検討し始めたが、3大サービスの違いが分からず選べないでいる

今回はこの「クラウド会計ソフト」の中から、国内シェアの大部分を占める3サービス──弥生会計 オンライン・freee会計・マネーフォワード クラウド会計──を、中小企業・個人事業主の実務に即した観点で比較します。

この記事で分かること
・弥生会計 オンライン / freee会計 / マネーフォワード クラウド会計 の「本質的な違い」── 簿記の知識がなくても使える従来型の操作感か、取引データから自動で仕訳を生成するAI特化型か、銀行・カード・他サービスとの連携の広さで効率化を追求する型か
・仕訳入力 ── 手入力・自動仕訳・レシート撮影(OCR)の使い勝手と精度
・自動連携 ── 銀行口座・クレジットカード・決済サービス・ECサイトとの連携対応数
・レポート・決算 ── 試算表・損益計算書・確定申告書類の自動作成と出力機能
・料金体系 ── 個人事業主向け・法人向けプランの月額料金と含まれる機能の違い
この記事は「日々の仕訳から決算・確定申告までの会計業務」に焦点を当てています
請求書の発行・受領がメインの用途であれば、「マネーフォワード クラウド請求書 vs freee vs Misoca クラウド請求書発行ツール比較」をご覧ください。給与計算や人事労務管理がメインの用途であれば、「マネーフォワードクラウド給与 vs freee人事労務 vs ジョブカン給与計算 クラウド給与計算ツール比較」も参考になります。本記事では、帳簿付け・仕訳入力から決算書作成・確定申告までを担うクラウド会計ソフトを取り上げます。

クラウド会計ソフトの基礎知識

比較に入る前に、なぜ今「クラウド会計ソフト」への移行が求められているのか、基本的な仕組みを整理しておきましょう。

クラウド会計ソフトとは ── インストール不要で、Webブラウザからアクセスして使える会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取得し、AIが仕訳候補を提案してくれるため、手入力の作業を大幅に削減できます。データはクラウド上に保存されるため、PC故障によるデータ消失のリスクがなく、税理士との同時アクセス・リアルタイム共有も可能です。

なぜ今、クラウド会計への移行が進んでいるのか:

① インボイス制度への対応: 2023年10月に開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、仕入税額控除を受けるには適格請求書の保存と正確な消費税区分の記帳が必要になりました。クラウド会計ソフトはインボイス制度に対応した仕訳区分を自動で判定する機能を備えており、手作業での消費税区分の管理負担を軽減できます。

② 電子帳簿保存法への対応: 2024年1月から電子取引データの電子保存が完全義務化されました。メールやWebで受け取った請求書・領収書を紙に印刷して保存することが認められなくなり、電子データとして検索可能な状態で保存する必要があります。3サービスとも電子帳簿保存法に対応した保存機能を備えています。

③ 経理業務の属人化リスク: 「経理担当者が1人で、その人がいないと月次決算が回らない」という中小企業は少なくありません。クラウド会計ソフトは仕訳の自動化・テンプレート化により、特定の担当者に依存しない経理体制を構築しやすい設計です。

会計ソフトに関する基本用語:

  • 仕訳: 取引を「借方」と「貸方」に分けて記録すること。簿記の基本的な処理
  • 勘定科目: 取引の内容を分類するためのカテゴリ(売上高、仕入高、旅費交通費、通信費など)
  • 自動仕訳: 銀行明細やカード明細のデータをもとに、AIが勘定科目を推測して仕訳候補を自動生成する機能
  • 試算表: 一定期間の勘定科目ごとの残高を一覧にした表。月次決算や経営判断の基礎資料
  • 確定申告: 個人事業主が1年間の所得と税額を申告する手続き。青色申告と白色申告がある

3サービスの基本比較 ── まず全体像を掴みましょう

項目弥生会計 オンラインfreee会計マネーフォワード クラウド会計
運営弥生株式会社(1978年創業・会計ソフト業界最大手)フリー株式会社(東証グロース上場)株式会社マネーフォワード(東証プライム上場)
アプローチ簿記の伝統的な操作感+クラウドの利便性簿記知識不要の直感的UI+自動化特化型豊富な外部連携+他サービスとの統合型
対象ユーザー簿記の知識がある経理担当者・税理士事務所簿記に不慣れな経営者・個人事業主複数サービスと連携して効率化したい企業
主な用途仕訳入力・決算書作成・確定申告・消費税申告仕訳入力・確定申告・請求書・経費精算の一元管理仕訳入力・決算書作成・他サービスとのデータ連携
料金(法人)年額28,600円〜(セルフプラン)月額2,980円〜(スターター・年払い時)月額2,980円〜(スモールビジネス・年払い時)
特長業界最多の導入実績・税理士の利用率No.1・初年度無料銀行明細からの自動仕訳精度が高い・スマホだけで確定申告可能連携サービス数が最多・バックオフィス全体を一元化

比較① 仕訳入力 ── 日々の記帳をどこまで効率化できるか

項目弥生会計 オンラインfreee会計マネーフォワード クラウド会計
手動仕訳入力◎ 複合仕訳対応・伝票形式の入力画面○ 取引登録画面から入力(複合仕訳は振替伝票で対応)◎ 仕訳帳・振替伝票・簡単入力の3方式
自動仕訳(AI推測)◎ 「YAYOI SMART CONNECT」で明細取得+自動仕訳◎ AIが取引内容から勘定科目を自動推測(学習精度が高い)◎ 明細から勘定科目を自動提案(ルール登録で精度向上)
レシート撮影・OCR◎ スマホアプリでレシート撮影→自動仕訳◎ スマホカメラで撮影→金額・日付・勘定科目を自動判定◎ スマホアプリでレシート撮影→自動取込
仕訳テンプレート◎ よく使う仕訳をテンプレート登録○ 取引テンプレート機能あり◎ 仕訳辞書・テンプレート登録
操作感◎ 簿記の知識がある人に馴染みやすい伝統的なUI◎ 簿記を知らなくても「取引」感覚で入力できるUI○ 簿記の基礎知識があるとスムーズに使えるUI
インボイス対応◎ 適格請求書の自動判定・税区分の自動設定◎ インボイス登録番号の自動照合・税区分の自動設定◎ インボイス登録番号の自動照合・区分記載対応

仕訳入力の総評:

弥生会計 オンライン は、デスクトップ版「弥生会計」で培われた伝統的な仕訳入力の操作感をクラウドに引き継いでいます。仕訳帳形式の入力画面では、借方・貸方を直接指定して複合仕訳を入力でき、簿記の知識がある経理担当者や税理士にとって「慣れた方法で迷わず入力できる」設計です。「YAYOI SMART CONNECT」を通じた銀行・カード明細の自動取得と自動仕訳にも対応しており、手入力と自動仕訳を状況に応じて使い分けられます。

freee会計 は「簿記の知識がなくても使える」ことを最大のコンセプトに据えています。仕訳入力の画面は「取引を登録する」という直感的なUIで、「◯月◯日に◯◯から◯円の入金があった」という感覚で入力できます。借方・貸方を意識する必要がないため、経理専任者がいない小規模事業者や、経営者自身が記帳する場合に最も始めやすいサービスです。AIによる自動仕訳の学習精度が高く、同じパターンの取引を繰り返すほど推測の正確さが向上します。

マネーフォワード クラウド会計 は、仕訳帳入力・振替伝票・簡単入力の3つの入力方式を用意しており、ユーザーの簿記スキルや好みに合わせて選べる柔軟性があります。仕訳帳入力は弥生に近い伝統的な操作感で、簡単入力はfreeeに近い直感的な方式です。自動仕訳では「仕訳ルール」を細かく設定でき、「◯◯銀行からの振込は売掛金の回収」「Amazonの支払いは消耗品費」といったルールを登録しておくと、以降は自動的に正しい勘定科目が割り当てられます。

比較② 自動連携 ── 銀行・カード・サービスとのデータ連携

項目弥生会計 オンラインfreee会計マネーフォワード クラウド会計
銀行口座連携◎ 主要銀行・地方銀行・ネット銀行に対応◎ 主要銀行・地方銀行・ネット銀行に対応◎ 主要銀行・地方銀行・ネット銀行に対応(連携数最多)
クレジットカード連携◎ 主要クレジットカードに対応◎ 主要クレジットカードに対応◎ 主要クレジットカードに対応
電子マネー・決済○ 主要サービスに対応◎ PayPay・Suica等の電子マネーにも対応◎ PayPay・交通系IC等に幅広く対応
ECサイト連携○ Amazon・楽天等に対応◎ Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング等に対応◎ Amazon・楽天・BASE・Shopify等に対応
POSレジ連携○ 一部対応◎ Airレジ・スマレジ・Square等と連携◎ Airレジ・スマレジ・Square等と連携
連携サービス総数○ 主要サービスをカバー◎ 3,000件以上◎ 2,400件以上
API連携・外部システム○ CSVインポートが中心◎ 公開APIあり・外部システムとの連携開発が可能◎ 公開APIあり・外部システムとの連携開発が可能

自動連携の総評:

マネーフォワード クラウド会計 は連携対応サービス数の多さが最大の強みです。銀行・カード・電子マネー・ECサイト・POSレジ・クラウドソーシングなど、2,400件以上のサービスと連携でき、「自社が使っているサービスと繋がらない」というケースが極めて少ない設計です。個人向け家計簿アプリ「マネーフォワード ME」で培った金融データ連携の技術基盤が法人向けにも活かされています。公開APIも提供しており、自社システムとの連携開発にも対応できます。

freee会計 も3,000件以上のサービスと連携しており、連携数ではマネーフォワードを上回ります。特にPOSレジ(Airレジ・スマレジ・Square)やECプラットフォーム(Amazon・楽天・Shopify)との連携が充実しており、小売業やEC事業を営む企業にとって「日々の売上データが自動的に会計に反映される」仕組みを構築しやすい設計です。公開APIを通じた外部連携も活発で、freeeを基盤とした業務アプリのエコシステムが形成されています。

弥生会計 オンライン は「YAYOI SMART CONNECT」を通じて主要な銀行・カード・サービスとの連携に対応しています。連携サービスの総数ではfreee・マネーフォワードに及びませんが、中小企業が日常的に使う銀行口座やクレジットカードとの連携は十分にカバーしています。外部システムとの連携はCSVインポートが中心のため、APIを使った高度な自動化を求める場合は他2サービスが優位です。

比較③ レポート・決算機能 ── 経営判断と申告業務をどこまで支援するか

項目弥生会計 オンラインfreee会計マネーフォワード クラウド会計
試算表◎ 月次推移・部門別・勘定科目別に詳細表示◎ 月次推移・タグ別の試算表◎ 月次推移・部門別・補助科目別に詳細表示
損益計算書(P/L)◎ 自動作成・月次比較・前年比較◎ 自動作成・月次推移◎ 自動作成・月次比較・前年比較・予実管理
貸借対照表(B/S)◎ 自動作成・推移表示◎ 自動作成◎ 自動作成・推移表示
キャッシュフローレポート○ 資金繰り表の作成◎ リアルタイムの資金繰りレポート◎ キャッシュフロー計算書の自動作成
確定申告(個人)◎ 青色申告・白色申告の書類を自動作成・e-Tax対応◎ スマホだけで確定申告が完結・e-Tax対応◎ 青色申告・白色申告の書類を自動作成・e-Tax対応
法人決算◎ 決算書・勘定科目内訳明細書の作成◎ 決算書の自動作成◎ 決算書・勘定科目内訳明細書の作成
消費税申告◎ 消費税申告書の自動作成・インボイス対応◎ 消費税申告書の自動作成・インボイス対応◎ 消費税申告書の自動作成・インボイス対応

レポート・決算機能の総評:

弥生会計 オンライン は、決算書類の作成能力において群を抜いています。損益計算書・貸借対照表はもちろん、勘定科目内訳明細書や法人事業概況説明書など、税務申告に必要な付属書類の作成にも対応しています。月次推移の試算表は部門別・勘定科目別に細かく表示でき、税理士が「この数字を見たい」と思う形式で出力できるため、税理士事務所からの支持が厚い理由の一つです。確定申告では青色申告決算書の自動作成からe-Tax連携まで対応しており、最も完成度の高い申告フローを提供しています。

freee会計 は「スマホだけで確定申告が完結する」という手軽さが際立っています。質問に答えていくだけで確定申告書が自動作成される「確定申告ウィザード」は、はじめて確定申告を行う個人事業主にとって心強い機能です。リアルタイムの資金繰りレポートも特長的で、「今月末にいくらお金が残るか」を常に把握できるダッシュボードが用意されています。法人決算では決算書の自動作成に対応していますが、付属書類の作成はやや限定的です。

マネーフォワード クラウド会計 は、レポートの多彩さと分析機能に強みがあります。損益計算書の月次比較・前年比較に加え、予算と実績を比較する「予実管理」機能を備えており、「売上が計画に対してどのくらい達成しているか」を可視化できます。キャッシュフロー計算書の自動作成にも対応しており、経営判断に必要な財務三表(P/L・B/S・C/F)をすべてクラウド上で確認できます。法人決算では勘定科目内訳明細書の作成にも対応しています。

比較④ サポート体制 ── 困ったときに頼れるか

項目弥生会計 オンラインfreee会計マネーフォワード クラウド会計
電話サポート◎ ベーシックプラン以上で電話サポート対応○ スタンダード以上で電話サポート対応○ 法人向けプランで電話サポート対応
チャットサポート◎ 全プランでチャットサポート対応◎ 全プランでチャットサポート対応◎ 全プランでチャットサポート対応
メールサポート◎ 全プランで対応◎ 全プランで対応◎ 全プランで対応
画面共有サポート◎ トータルプランで操作画面を共有しながらサポート△ プランに応じて対応△ 提供なし
ヘルプ・学習コンテンツ◎ 仕訳事例集・動画マニュアル・セミナーが充実◎ ヘルプページ・経理ガイド・動画コンテンツが豊富◎ ヘルプページ・使い方ガイドが整備
税理士紹介◎ 弥生の認定アドバイザー制度(税理士ネットワーク最大規模)◎ freee認定アドバイザー制度◎ マネーフォワード認定税理士制度
税理士との連携◎ 税理士の利用率No.1・データ共有がスムーズ◎ 税理士とのリアルタイム共有・アドバイザー機能◎ 税理士とのデータ共有・招待機能

サポート体制の総評:

弥生会計 オンライン はサポート体制において最も手厚い選択肢です。ベーシックプラン以上で電話サポートが利用でき、トータルプランでは「画面共有サポート」──オペレーターがユーザーの画面を見ながら操作方法を案内するサービス──が利用できます。仕訳の具体的な入力方法に迷ったとき、電話口で「この画面の、この項目に、こう入力してください」と案内してもらえるのは、ITに不慣れなユーザーにとって大きな安心感です。また、弥生の認定アドバイザー制度は税理士ネットワークとしては国内最大規模で、「弥生を使っている税理士を紹介してほしい」というニーズにも応えられます。

freee会計 は全プランでチャットサポートを提供しており、操作中に疑問が生じたらすぐに質問できる環境が整っています。スタンダードプラン以上では電話サポートも利用可能です。ヘルプページや経理ガイドが充実しており、「初めての確定申告の手順」「インボイス制度への対応方法」といった実務的なコンテンツが豊富に揃っています。freee認定アドバイザー制度を通じて、freeeに精通した税理士を紹介してもらうことも可能です。

マネーフォワード クラウド会計 はチャット・メールサポートを全プランで提供しています。電話サポートは法人向けプランで対応しています。ヘルプページと使い方ガイドが体系的に整備されており、画面操作の手順を画像付きで確認できます。マネーフォワード認定税理士制度を通じた税理士紹介にも対応しています。

比較⑤ 料金体系 ── 事業規模に合ったプラン選び

項目弥生会計 オンラインfreee会計マネーフォワード クラウド会計
個人事業主向けセルフプラン: 年額9,680円 / ベーシックプラン: 年額17,490円 / トータルプラン: 年額26,400円スターター: 月額1,480円 / スタンダード: 月額2,680円 / プレミアム: 月額4,980円(年払い時)パーソナルミニ: 月額1,078円 / パーソナル: 月額1,408円 / パーソナルプラス: 月額3,278円(年払い時)
法人向けセルフプラン: 年額28,600円 / ベーシックプラン: 年額41,800円 / トータルプラン: 年額55,000円スターター: 月額2,980円 / スタンダード: 月額5,980円 / プレミアム: 月額39,800円(年払い時)スモールビジネス: 月額2,980円 / ビジネス: 月額4,980円(年払い時)
初年度特典◎ セルフプラン・ベーシックプラン 初年度無料○ 特になし(キャンペーンで割引あり)○ 特になし(キャンペーンで割引あり)
無料トライアル◎ 初年度無料(最大14ヶ月)◎ 30日間無料トライアル◎ 1ヶ月無料トライアル
ユーザー数制限法人プランに応じて設定スターター: 3名 / スタンダード: 3名 / プレミアム: 10名スモールビジネス: 3名 / ビジネス: 無制限

料金体系の総評:

弥生会計 オンライン は「初年度無料」のインパクトが圧倒的です。個人事業主向けのセルフプラン・ベーシックプランは初年度無料で利用でき、法人向けもセルフプラン・ベーシックプランが初年度無料です。「まず1年間無料で使ってみて、合わなければ他のサービスに乗り換える」という判断が可能なため、初期コストのリスクがありません。2年目以降の料金も年額ベースで見ると3サービスの中で最もリーズナブルな水準にあります。

freee会計 は月額課金に対応しており、年払いにすると月額2,980円(法人スターター)から利用できます。「会計ソフトだけ」でなく、請求書発行・経費精算・入金管理などの機能がプランに含まれているため、「freee1つでバックオフィス業務をまとめたい」場合はトータルコストを抑えられます。ただし、プレミアムプラン(月額39,800円)は他の2サービスと比べて高めの設定で、大規模な利用を想定した機能が含まれています。

マネーフォワード クラウド会計 は個人事業主向けのパーソナルミニプラン(月額1,078円)が3サービスの中で最も安い月額料金です。法人向けのビジネスプラン(月額4,980円)ではユーザー数が無制限のため、経理担当者が複数いる企業にとってコストパフォーマンスが高い設計です。ただし、マネーフォワードは会計・請求書・経費・給与・勤怠などのサービスが別契約のため、複数サービスを利用する場合のトータルコストを事前に確認しておくことが大切です。

3サービスとも無料で試せる環境が用意されています
弥生会計 オンラインは初年度無料(最大14ヶ月)、freee会計は30日間の無料トライアル、マネーフォワード クラウド会計は1ヶ月の無料トライアルを提供しています。「自動仕訳の精度」「操作画面の使いやすさ」「自社の銀行口座との連携」は実際に触ってみないと分からないため、少なくとも2つのサービスを並行して試してから判断するのがおすすめです。
クラウド会計ソフトを導入するだけでは「経理の自動化」は完成しません
クラウド会計ソフトは仕訳入力の手間を大幅に削減してくれますが、自動仕訳の結果を確認・修正する作業は必要です。特に導入初期はAIの学習が十分でないため、勘定科目の誤判定が発生しやすいのが実情です。大切なのは、導入後の1〜2ヶ月を「学習期間」と位置づけ、自動仕訳の結果を丁寧にチェックしながら修正・ルール登録を行うことです。この期間を乗り越えると、自動仕訳の精度が飛躍的に向上し、月次の経理作業が大幅に効率化されます。

導入前に確認しておきたいポイント

「今使っている銀行口座」との連携を事前に確認することが大切です

クラウド会計ソフトの最大のメリットは銀行口座やカードとの自動連携ですが、すべての金融機関に対応しているわけではありません。特に地方銀行や信用金庫の一部は連携に対応していない場合があります。導入前に、自社のメインバンクが連携対象に含まれているかを必ず確認しましょう。3サービスとも公式サイトで対応金融機関の一覧を公開しています。

「顧問税理士が使い慣れているサービス」を確認するのもポイントです

クラウド会計ソフトは税理士とのデータ共有が大きなメリットの一つです。自社で入力したデータを税理士がリアルタイムで確認し、修正や助言をしてくれる運用が可能です。ただし、税理士によって「普段使っているサービス」が異なるため、導入前に顧問税理士に相談しておくことをおすすめします。税理士の利用率では弥生が最も高く、freee・マネーフォワードも認定アドバイザー制度を通じて対応税理士を紹介しています。

「会計以外のバックオフィス業務」も合わせて検討するのがおすすめです

freeeは会計・請求書・経費精算・人事労務を1つのアカウントで管理できる統合型のアプローチを取っています。マネーフォワードは会計・請求書・経費・給与・勤怠などを個別に契約し、データ連携で統合するアプローチです。弥生は会計・給与・販売管理をそれぞれ独立したサービスとして提供しています。「会計ソフトだけ」で選ぶのではなく、将来的に給与計算や経費精算もクラウド化する予定があるなら、その時のトータルコストと連携のスムーズさも含めて検討するのがポイントです。

よくある質問

Excel管理からクラウド会計ソフトに移行するのは大変ですか?
移行作業そのものはそれほど大変ではありません。3サービスとも、期首残高(前期の貸借対照表の数字)を入力するだけで新年度からの利用を開始できます。過去のExcelデータをすべてインポートする必要はなく、「今期の期首から新しい会計ソフトで記帳を始める」のが最もスムーズな方法です。期中での移行も可能ですが、それまでの取引データを手動またはCSVで取り込む作業が発生するため、年度の切り替わり(1月や4月)に合わせて移行するのがおすすめです。
簿記の知識がまったくなくても使えますか?
freee会計は「簿記の知識がなくても使える」ことを設計思想の中心に据えており、借方・貸方を意識せずに取引を登録できます。マネーフォワード クラウド会計は「簡単入力」モードを使えば基本的な記帳は可能ですが、勘定科目の選択など最低限の簿記知識があるとスムーズです。弥生会計 オンラインは伝統的な仕訳形式の入力画面が中心のため、簿記の基礎知識がある方に向いています。ただし、3サービスとも自動仕訳機能があるため、銀行連携を設定すれば「AI が提案した仕訳を確認して承認する」という運用が可能です。
デスクトップ版の弥生会計からクラウド版に移行できますか?
はい、弥生会計 オンラインにはデスクトップ版からのデータ移行機能が用意されています。デスクトップ版でエクスポートしたデータをクラウド版にインポートすることで、過去の仕訳データや勘定科目設定を引き継ぐことが可能です。ただし、一部の設定やカスタマイズ項目は手動で再設定が必要な場合があります。移行を検討する際は、弥生のサポートセンターや認定アドバイザー(税理士)に相談し、移行手順を事前に確認しておくのがおすすめです。
個人事業主ですが、将来法人化した場合にデータを引き継げますか?
freee会計とマネーフォワード クラウド会計は、個人事業主プランから法人プランへの切り替え時にデータを引き継ぐ仕組みを用意しています。弥生会計 オンラインも個人向け(やよいの青色申告 オンライン)から法人向けへの移行に対応しています。ただし、法人成りでは会計上の「法人設立日」を起点に新たな帳簿を開始するため、個人時代のデータをそのまま継続するのではなく、期首残高を引き継ぐ形になります。法人化のタイミングでの会計ソフト移行は税理士と相談しながら進めるのがポイントです。

編集部の結論

大切なのは「有名なサービスを選ぶこと」ではなく、「自社の経理体制・簿記スキル・使っている金融サービスとの連携を踏まえ、経理業務を無理なく回せる会計ソフトを選ぶこと」です。

「簿記に慣れた経理担当者がいる」「税理士が弥生を使っている」「まず無料で1年間しっかり試したい」企業には弥生会計 オンラインがおすすめです。

「簿記の知識がなくても使いたい」「経営者自身が記帳している」「スマホだけで確定申告まで完結させたい」方にはfreee会計がおすすめです。

「銀行・カード・ECサイトなど多くのサービスと連携したい」「バックオフィス全体をクラウド化する計画がある」「経営レポートを充実させたい」企業にはマネーフォワード クラウド会計がおすすめです。

迷ったら、まず弥生の初年度無料プランとfreee・マネーフォワードの無料トライアルを並行して試し、「自動仕訳の精度」「操作画面の使いやすさ」「自社の銀行口座との連携」を実際に比較してみましょう。そして、顧問税理士がいる場合は「どのサービスが使いやすいか」を事前に相談しておくのがポイントです。

まとめ:選び方の3つのポイント

  • 簿記に慣れた経理体制+手厚いサポート+初年度無料なら → 弥生会計 オンライン(弥生株式会社運営・会計ソフト業界最大手・1978年創業・税理士利用率No.1・初年度無料(最大14ヶ月)・セルフプラン年額28,600円〜(法人)/ 年額9,680円〜(個人)・伝統的な仕訳入力画面・YAYOI SMART CONNECT連携・レシートOCR対応・インボイス制度対応・電子帳簿保存法対応・e-Tax連携・電話/チャット/メールサポート・画面共有サポート(トータルプラン)・認定アドバイザー制度(税理士紹介)・デスクトップ版からのデータ移行対応)
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